
0723 | メディチ家の400年来の謎をDNAが解明、採用課題の不正コード、Codebergの暗号通貨禁止
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ルネサンス期フィレンツェのメディチ家400年来の死因ミステリーにDNA鑑定が迫り、採用選考の持ち帰り課題に潜む不正Gitフック、ジョン・C・ドヴォラックの訃報、Codebergの暗号通貨プロジェクト禁止措置、Moonshot AIによるFable蒸留疑惑、AIデータセンターへの米国民の拒否感、テレンス・タオのChatGPT協働によるヤコビアン予想の進展、Fairphone 6カメラの実験的Linux対応など幅広いテーマをお届け。ほかにもMUDテキストゲームを使ったLLM評価実験、Hacker Newsの人気リンクを集めたHN Hall of Fame、AIによるメニューデザインの質低下、エアバスの折りたたみ翼試験、単一HTMLのプレゼンツールBento、カット&ペースト問題、クレアチンと知性の議論、Kagi検索エンジン回帰の話題まで多彩にカバー。
タイムライン
- 00:00:00 オープニング
- 00:00:39 メディチ家400年の謎:DNAが語るマラリアと毒殺の真相
- 00:02:12 採用課題に潜む不正Gitフック:巧妙化する詐欺の手口
- 00:03:40 ジョン・C・ドヴォラック追悼:テクノロジーコラムの巨星
- 00:05:03 Codebergが暗号通貨を禁止:非営利と分散化のはざまで
- 00:06:48 Moonshot AIがFableを蒸留?K3開発をめぐる応酬
- 00:08:12 AIデータセンターに米国民の過半数が反対:NIMBYの現実
- 00:09:19 テレンス・タオ、ChatGPTと挑むヤコビアン予想
- 00:10:31 Fairphone 6カメラがLinux対応へ:実験的ドライバの試み
- 00:11:38 99ドルでLLMを評価:MUDテキストゲーム実験の成果と限界
- 00:13:35 HN Hall of Fame:伝説的リンク3100本を一望
- 00:15:05 AIが生む醜いメニュー:手書き看板が高級の証に
- 00:16:07 エアバス折りたたみ翼の実物大試験:ボーイング7年遅れの教訓
- 00:17:04 Bento:単一HTMLで完結するPowerPoint代替ツール
- 00:18:31 カット&ペーストは根本的に壊れているのか
- 00:19:50 クレアチンで賢くなる?LLM時代の知性の価値
- 00:20:55 Kagiへ回帰:検索エンジンとLLMのはざまで
関連リンク
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このエピソードは Bri によって制作されています。Bri は高度な AI 技術で、あなたが気にかけるフィードを聞くためのポッドキャストに変換します。お問い合わせは hi@bri.so まで。
Transcript
葵: Briのポッドキャスト、HackerNews Dailyをお届けします。ナビゲーターの葵です。
悠真: 案内役の悠真です。今回は、ルネサンス期のフィレンツェにまつわる400年来の謎をDNA鑑定が解き明かした話題から始まります。
葵: ええ。それから、採用選考の持ち帰り課題に仕込まれた精巧な不正コードの話に、Codebergが暗号通貨関連プロジェクトのホスティングを禁止した動きも見ていきます。
悠真: さらに、ジョン・C・ドヴォラックの訃報や、Moonshot AIがFableのモデルを蒸留したという報告も気になりますね。それでは本編へどうぞ。
葵: 400年以上にわたって歴史家たちを悩ませてきたメディチ家の謎に、DNA検査が新たな光を当てました。フィレンツェの大公フランチェスコ・デ・メディチとその妻ビアンカ・カッペッロの遺骨から採取されたDNAを分析した結果、マラリア原虫が検出されたのです。
悠真: マラリアが検出されたということは、毒殺ではなく病死だった可能性が強まったということでしょうか。
葵: そこがまだ微妙なところで、研究の共著者であるイェール大学の上級研究員ジセラ・カッコーネは、電子メールで「彼らがマラリアにかかっていたとは言えるが、毒殺されなかったとは言えない」と述べています。つまり、マラリア感染の事実と毒殺の可能性は両立するという立場ですね。
悠真: なるほど、マラリアに感染していたとしても、同時に毒を盛られていた可能性は否定できないと。
葵: そうです。ただ、もう一人の研究者であるオチョアは、遺伝学的証拠によって毒殺説に基づく「推測の余地は減少する」とコメントしています。親族による毒殺の可能性を完全に排除するものではないとしつつも、その不確実性は確実に狭まっているという見方ですね。
悠真: 状況証拠の積み重ねだった議論に、分子生物学的なデータが加わったことで、歴史の解像度が一段上がったということでしょうか。
葵: まさにそういうことだと思います。400年以上前の死因をめぐるミステリーが、現代のDNA解析技術によって少しずつ輪郭をはっきりさせてきている、興味深い事例ですね。
悠真: 話題を変えて、採用選考にまつわる奇妙なセキュリティ事例をご紹介します。ある企業が候補者に渡した持ち帰り課題のコードを調べたところ、精巧に偽装された不正なGitフックが仕込まれていたそうです。
葵: Gitフックというのは、コミットやプッシュなどのタイミングで自動実行されるスクリプトですよね。それが悪用されていたと。
悠真: そうです。このフックが実行されると、攻撃者のサーバーへ機密情報が送信される仕組みだったといいます。記事の著者であるCITIZENDOT氏は、まるでCTFのチャレンジを調査しているようで興味深かったと振り返っています。
葵: ずいぶん手の込んだ詐欺ですね。Hacker Newsでは、この手の巧妙な詐欺は今後ますます一般的になるという見方が示されています。
悠真: 投稿者のChrisMarshallNY氏は、手口の悪質さを認めつつも、実行者が入念に下調べをした点にスキルを感じると述べ、実際に成功率は高いだろうと推測しています。
葵: 一方で、LoganDark氏は、そうした技術が大規模言語モデルから借用されたものにすぎない可能性を指摘しました。さらにthrow_m239339氏は、詐欺のプロセス全体がすでに自動化されているとの見方を示しています。
悠真: それに対してChrisMarshallNY氏は、北朝鮮のハッカー集団のように、経験豊富な技術者が大規模言語モデルを駆使しているのではないかと再反論しています。自動化なのか、それとも熟練者の手によるものなのか、その点でも議論が分かれているようですね。
葵: 続いては、テクノロジー業界で長年親しまれてきたコラムニストの訃報です。ジョン・C・ドヴォラックが亡くなりました。Twitterの公式告知や各種追悼記事、Hacker Newsのスレッドで複数の関係者が報じています。
悠真: ドヴォラックといえば、Byte誌での影響力ある記事やZDTVでのレギュラー出演で広く知られた人物ですね。Hacker Newsでは、彼の年齢をめぐって情報源の間で齟齬があったことが話題になっています。
葵: そうなんです。CodyMorleyというユーザーは「ドヴォラックはウィキペディアが誤った生年を何十年も掲載し、本人による訂正を拒否し続けたことを嫌っていた」と説明し、彼は1946年生まれの80歳だと明言しました。一方で、別のユーザーasdefghykは、リンク先の記述では74歳、ウィキペディアでは80歳と表記されていると指摘しています。
悠真: ウィキペディアが誤った情報を頑なに訂正しなかったというエピソード、本人にとってはずいぶん歯がゆい思いだったでしょうね。
葵: そうですね。追悼コメントでは「Byte誌で彼を知り、尊敬すべき洞察力と興味深い内容を書く書き手だった」と振り返る声や、「ZDTVで定期的に観ていた」と思い出を語る声が寄せられています。
悠真: 一時代を築いたテクノロジージャーナリストの一人だったと言えるでしょう。
葵: 最後に、オープンソースのコードホスティングサービスに関する話題です。Codebergが暗号通貨関連プロジェクトのホスティングを禁止しました。
悠真: Codebergといえば、ドイツの非営利団体Codeberg e.V.が運営するサービスですね。今回の措置は、非営利団体としての公益性を守るため、またドイツ国内の規制リスクを回避するためのものと説明されています。
葵: 具体的には、マイニング、取引、ウォレット、暗号通貨による寄付の促進、さらにあらゆる形のエアドロップを主目的とするリポジトリが対象です。3月13日から該当プロジェクトの新規作成を停止し、4月13日までは既存のコンテンツ削除に応じる猶予を与えています。
悠真: この決定に対してコミュニティからは批判の声も上がっています。あるユーザーは、どのような組織が運営していても最終的には利用者が不利益を被る事態は起こりうると指摘し、バックアップ計画の策定と可能な限りのセルフホスティングを推奨しました。
葵: 代替手段としては、セルフホストが可能なGitea、またはCodeberg自身が開発に関わるそのフォークであるForgejoの利用が具体的に提案されています。さらに別のユーザーは、Nostrプロトコル上で動作する分散型Gitを紹介し、公開鍵を基盤とした主権的な所有権が実現され、単一の事業体にプロジェクトが拘束されることはなくなると述べています。
悠真: 加えて、Reticulumネットワーク上でGit、イシュートラッキング、リリース管理を統合的に扱う手法も選択肢の一つとして挙がっています。非営利団体の判断と、分散化を求めるコミュニティの反応、どちらの立場にもそれぞれ理がある、考えさせられる動きですね。
葵: 続いては、AIモデルの開発手法をめぐる議論です。Hacker Newsで、Moonshot AIがFableというモデルを蒸留して「K3」を開発したという情報が報じられました。
悠真: 蒸留、つまりディスティレーションですね。これは既存の大規模モデルから知識を抽出して、より軽量なモデルを作る手法です。この件については、投稿者のsoftwaredougが、元投稿としてマイケル・クラツィオスのツイートを挙げています。
葵: この蒸留という手法に対して、Hacker Newsのコメント欄では「自分たちにはルールがあるが、あちらにはない」という反発が即座に寄せられました。
悠真: これについて、Hacker Newsのモデレーターであるdangが興味深い指摘をしています。HN読者の多くがそう感じるのはもっともだと認めつつ、「蒸留」という言葉が出るたびに決まり文句のように湧いてくる反応は、ガイドライン違反のフレームベイトやインターネットの常套句に該当する、と。
葵: つまり、反射的な反応ではなく、内省的な反応が求められているわけですね。dangは、スレッドが一般的な議論に流れるのではなく、この事例に関する具体的な議論になることを望んでいると投稿しています。
悠真: 蒸留をめぐるルールや倫理については、業界全体でまだ明確な線引きが定まっていないのが現状です。そのため、こうした個別事例の積み重ねが今後の議論の土台になっていくのかもしれません。
葵: 話題を変えて、AIデータセンターと地域社会の関係についてです。不動産情報会社Redfinの調査によると、アメリカ人の過半数がAIデータセンターの近隣居住に反対していることがわかりました。
悠真: いわゆる「Not in my backyard」、NIMBYの反応ですね。Hacker Newsのコメントでは、アリゾナ州立大学の研究を引き合いに出して、約365メートル以内への居住が「不快」だと指摘する声が上がっています。
葵: 一方で、これには反論もあります。大手データセンターは大規模な土地と電力供給を必要とするため、そもそも商業地域や工業地域に建設されていて、住宅地からは離れているという意見です。
悠真: しかし、地域との摩擦が特に先鋭化している場所もあります。Hacker Newsのコメントでは、バージニア州北部の事例が紹介されています。現地発電設備を備えたデータセンターが24時間稼働しており、まさにその摩擦の最前線だと言及されています。
葵: データセンターの立地をめぐる問題は、AIの需要が高まるにつれて、これからさらに注目されていきそうですね。
葵: 次は、数学研究におけるAIの活用についてです。著名な数学者テレンス・タオが、ChatGPTとの対話を通じて、ヤコビアン予想の反例に関わる新たな発見を公開しました。
悠真: ヤコビアン予想というのは、多項式逆写像に関する長年の未解決問題です。タオが共有した会話ログでは、AIが構造的な洞察を提供し、人間の専門家との協働によって具体的な進展が得られたことが示されています。
葵: この成果について、Hacker Newsの議論では「革命的」とまでは言えないものの、AIの数学研究能力の進歩を示す指標として受け止められています。
悠真: 一部のコメントでは将来的な可能性にも言及されていて、大規模言語モデルが因数分解の複雑さを打破したり、P=NP問題の解決策を見つけたりする可能性についても話題になりました。
葵: ただし、現時点ではあくまで人間の専門家による誘導が必要だという点が強調されています。タオのような第一線の数学者が方向性を示して初めて、AIが有意義な貢献をできる段階ということですね。
悠真: とはいえ、未解決問題に対してAIが構造的な洞察を提供できたという事実は、数学研究のあり方に一つの新しい選択肢を示したと言えるでしょう。
葵: 最後に、オープンソースのハードウェアに関する話題です。Fairphone 6の広角カメラをLinuxで動作させる実験的な取り組みが報告されました。
悠真: 開発者はnondescriptpointer.comに記事を公開し、Hacker Newsにも取り上げられています。コメントでは、Fairphoneへの期待や、こうした自作技術への称賛が寄せられています。
葵: ただし、GrapheneOS対応に関しては注意点があります。Hacker Newsのコメントでは、GrapheneOSプロジェクト側の公式見解として「ハードウェアが必要なセキュリティ機能をサポートしていない」という指摘が改めて紹介されています。
悠真: この点について、コメントではより詳細な技術要件を問う声も上がっていて、FairphoneとGrapheneOSの互換性に関心を持つコミュニティにとっては引き続き注目の論点となっています。
葵: Fairphoneのようにユーザーが修理や改造をしやすい設計思想を持つ端末と、厳格なセキュリティ要件との間には、まだ埋めるべきギャップがあるということですね。
葵: 次は、LLMの評価に1970年代のテキストゲーム「MUD」を使うというユニークな試みです。著者のDavisb135らは、個人のコンピューターと約99ドルのAPIクレジットだけで、数ヶ月かけて実験と論文執筆を行いました。
悠真: 99ドルだけで、ですか。その少額の予算で、実際にどのような結果が得られたのでしょうか。
葵: まずリーダーボード自体も興味深い結果だったそうですが、より注目されたのは各LLMの測定結果です。彼らは4つの行動次元でモデルを採点しました。ただ、そのうち2つはLLM分類器に大きく依存していたんですね。
悠真: LLM分類器への依存度が高い評価項目があったと。そこに問題が?
葵: はい。その分類器依存の2次元を除外すると、あるフロンティアモデルの順位が6つも下がったのです。さらに、分類器と第二の判定者との一致率を調べたところ、モデルごとに85%から22%まで大きくばらつきました。
悠真: 85%から22%というのは、かなりの開きですね。
葵: しかも、プローブ検出における総合的な一致率指標、カッパ係数は0.04でした。これは測定器のノイズが非常に大きいことを示しています。特に影響を受けたのは、分類器と同一のモデルファミリーに属するモデルでした。
悠真: 同じファミリーのモデルが影響を受けたということは、自己評価に近い状況で何らかの偏りが生じた可能性がある、ということでしょうか。
葵: 著者自身は、これはバイアスの証明ではないと慎重に述べています。あくまで記録された一観察事例です。また、著者はLLMによる審判が信頼できない場合があることを認識しており、当初はこのテストを意図していたわけではなかったとも述べています。
悠真: なるほど。低予算の実験から、LLM評価における分類器の信頼性という大きなテーマが浮かび上がってきたわけですね。
悠真: 続いては、Hacker Newsのコミュニティから生まれた「HN Hall of Fame」というサイトです。
葵: 作者のoyster143氏が公開したこのサイトでは、Hacker News上で長年にわたり人気を博した3,100本以上のリンクを、スコアやコメント数に基づいてランキング形式で閲覧できます。
悠真: 3,100本以上というと相当なボリュームですね。「伝説的」と銘打っていますが、そのあたりの反応はどうですか?
葵: 実は作者自身がコメントで、「伝説的」という表現は誇張かもしれないと認めているんです。ただ、上位300件以外にも非常に興味深いリンクが多数含まれていると述べています。
悠真: なるほど、謙虚な姿勢ですね。この作者は過去にも似たようなプロジェクトを手がけているのでしょうか。
葵: はい。Hacker Newsで人気のWikipediaリンクを集めたorangecrumbs.comや、YouTube動画を集めたorangecrumbs.com/vも同じ作者によるものです。ちなみに、書籍の推薦や論文リンクの集約については、同様のコンセプトのhackernewsbooks.comが既に存在すると回答しています。
悠真: ユーザーからの反応はどのようなものがありますか。
葵: 有名な「wat」の講演動画をスクロールして発見したという嬉しい反応がある一方で、3,100件ものリンクを「伝説的」と呼べるのか、という懐疑的な意見も寄せられています。
悠真: 懐疑的な声もあるものの、コミュニティの集合知をアーカイブした価値ある試みと言えそうですね。
葵: 話題を変えて、AIがビジネスの現場にもたらす意外な影響についてです。「AIによる醜いメニューデザイン」というブログ投稿をめぐるHacker Newsの議論が興味深いんです。
悠真: AIメニューデザイン、気になりますね。どのような指摘があったのでしょうか。
葵: AIによる看板や広告は低品質で手抜きのシグナルであり、顧客からもそう認識されるだろうと指摘されています。一方で、人力によるチョーク看板は、今や高級レストランの証となっているそうです。
悠真: チョーク看板が高級の証、というのは面白い逆転現象ですね。
葵: そうですね。そして写真付きメニューやリング綴じメニューは、その逆、つまり低品質のシグナルと見なされているそうです。こうした流れを受けて、チョーク書きロボットの登場を予想する声も上がっています。
悠真: チョーク書きロボットですか。人手の温かみを機械で再現しようという発想ですね。AIによる手抜き感が広がれば広がるほど、人の手による表現の価値が際立つ、というのは示唆的です。
悠真: 最後に、航空業界の話題です。エアバスが「翼の明日」計画の一環として、実物大の折りたたみ翼延長部の飛行試験プログラムを発表しました。
葵: 折りたたみ翼といえば、ボーイングが777Xですでに先行して実装しているという指摘がHacker News上で出ています。ただ、そのボーイング777Xは認証の問題により、すでに7年遅れているというコメントも寄せられました。
悠真: 7年遅れというのは大きな数字ですね。折りたたみ翼そのものへの安全性の懸念はないのでしょうか。
葵: 折りたたみ翼の脱落を心配する声に対しては、厳格な航空宇宙工学基準に基づいて製造されているという指摘や、厳格な安全義務こそが航空機の新たな現実であるという見解が示されています。
悠真: なるほど。ボーイングが先鞭をつけた技術をエアバスが追いかける形ですが、認証の難しさという課題も浮き彫りになっていますね。
葵: まずは、Hacker Newsで公開された「Bento」というツールです。プレゼンテーションの編集、表示、データ管理、そして共同作業まで、すべてを単一のHTMLファイルにまとめたものですね。作成者はstarfallgさんです。
悠真: 単一のHTMLファイルというのがポイントですね。インストールもクラウドログインも不要で、完全にオフラインで動作するそうです。デフォルトのデッキサイズは約560キロバイトで、一度取得してしまえば追加の通信は必要ないと。
葵: そうなんです。ブラウザで開くだけで、そのまま編集も発表も印刷も保存もできてしまいます。さらに、メールやAirDropで共有すれば、受け取った側もブラウザだけで編集できる。ライブ共同編集にも対応していると。
悠真: 共同編集というと、普通はクラウドを介しますよね。でもBentoの場合はクラウドを介さず、暗号化されたブラインドリレーを使うそうです。リレー側はデータを一切参照できない仕組みになっていると。
葵: プライバシーを重視した設計ですね。それからもう一つ面白いのが、ClaudeやChatGPTにファイルを渡して、既存のpptxファイルをBentoスライドに変換することも可能だという点です。
悠真: なるほど。AIに変換させることで、既存のPowerPoint資産をそのままBentoに移行できるわけですね。オフラインでプライバシーを保ちながら、共同編集もできる。なかなか考えられたツールだと思います。
悠真: 話題を変えて、「Ghost Cut」、つまり「なぜカットアンドペーストはあらゆる場所で壊れているのか」というブログ記事がHacker Newsで話題になっていました。これに対して、Excelでのカットアンドペーストの挙動を嫌う声が多く上がっているんです。
葵: 具体的なコメントを見てみると、tectecさんは「自分はこれを好まないと思う。筆者はExcelが似たようなことをしていると言及しているが、Excelはカット、コピー、ペーストが最も嫌いなアプリだ」と述べています。
悠真: さらにvarispeedさんは「半分の確率でうまく動作しない」と。AndroTuxさんに至っては「Excelは常に私の意図に対して最悪の方法でコピーやカット、ペーストをしようとしているように感じる」と言っています。かなり強い不満ですね。
葵: そしてNoumenon72さんは、Excelで数式の参照が壊れる問題を避けるために、通常のカットアンドペーストは使わず、「コピー、ペースト、そして元のテキストを削除」という手順を踏んでいると明かしています。回避策としてそうしているわけですね。
悠真: カットアンドペーストという基本的な操作が、アプリケーションによってはここまでストレスになるというのは興味深いです。特にExcelのような広く使われているツールで、この不満が根強いというのがポイントですね。
葵: 次は、クレアチンが知能を高めるかという記事に対するHacker Newsでのやり取りです。ここで興味深い疑問が投げかけられていて、それは「LLMがある時代に、サプリメントで賢さを最適化する価値はあるのか」というものでした。
悠真: なるほど、面白い視点ですね。これに対して「LLMに、より賢い質問をすればコストを節約でき、サプリメント代を捻出できる」という意見が出ています。実用的な発想ですね。
葵: 一方で、「LLMの知能は人間と同列に比較できるものではなく、単なる有用なツールであり、常に誰かのガイドが必要だ」という指摘もありました。これは本質的な話ですね。
悠真: また、「生産性だけが賢くなる理由ではない。例えば、ネット上で無意味な質問を減らせるという利点もある」というコメントもありました。賢さの価値を生産性だけに還元しない視点ですね。
葵: そしてこの一連のやり取りに対して、質問者自身が「おそらく質問の表現が最善ではなかった」と振り返っているんです。LLM時代における知性や賢さの意味について、考えさせられる議論でした。
悠真: 最後は「Back to Kagi」という記事です。著者はアラビア語ニュースの問題を解決できておらず、他の選択肢はそれよりも悪いと述べています。Googleニュースの方が優れているように見えるものの、著者はスイス在住でフランス語を話さないため、Googleが常にフランス語を想定してしまうことを好んでいないそうです。
葵: なるほど、地域と言語のミスマッチの問題ですね。現在のところ、著者はアラビア語版アルジャジーラの見出しをざっと読むことで、何が起きているかの概要を把握していると。
悠真: そしてこの記事に対して、あるコメント投稿者が興味深いことを言っています。祖父母がすでにあらゆるウェブ検索にChatGPTの音声機能を使っているそうで、LLM時代における検索エンジンの関連性そのものに疑問を呈しているんです。
葵: 検索の入り口が、従来の検索エンジンからLLMへと移行し始めている実例ですね。地域や言語の壁に対して、異なるアプローチが模索されている段階なのかもしれません。
葵: さて、今日も盛りだくさんでしたね。メディチ家の謎からAIデータセンターの住宅事情、それにエアバスの折りたたみ翼まで、本当に幅広い話題をお届けしました。
悠真: ええ。特に印象的だったのは、採用選考の持ち帰り課題に仕込まれた不正なGitフックの話ですね。巧妙に偽装されていて、実行すると攻撃者のサーバーに機密情報が送られてしまう。採用の現場にもこういう脅威が忍び寄っているというのは、考えさせられます。
葵: そうですね。Codebergが暗号通貨関連のプロジェクトを禁止したのも、非営利団体としての公益性とドイツの規制リスクを踏まえての判断でした。プラットフォーム運営の難しさを感じますね。
悠真: そして、メディチ家のDNA鑑定でマラリアが検出されたという400年以上の歴史ミステリー。イェール大学のジセラ・カッコーネ研究員も関わっているというのが、また興味深い。
葵: ジョン・C・ドヴォラックの訃報もありました。年齢については情報源によって少し違いがあったようですが、多くの関係者が追悼の声を寄せていました。
悠真: あと、テレンス・タオ教授がChatGPTとの対話でヤコビアン予想の反例に関わる発見をされたというのもすごい話でしたね。AIと人間の協働で、長年の未解決問題に進展があったと。
葵: それからFairphone 6の広角カメラをLinuxで動かす実験や、MUDというテキストゲームをLLM評価に使う試み。Bentoという単一HTMLで完結するプレゼンツールも面白かったです。
悠真: 不動産のRedfinの調査では、アメリカ人の過半数がAIデータセンターの近くに住むのに反対だそうです。アリゾナ州立大学の研究では約365メートル以内は「不快」という指摘もありましたね。
葵: さて、今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。また次回、新しい話題でお会いしましょう。